「からだ」ってスゴい(序)

2014 年 5 月 14 日

研究開発室 徳田

 

研究開発室のかわりもの 徳田英昭です。よろしくお願いします。

 

「高麗人参」と聞いて、何をイメージされるでしょうか。

 

私は、時代劇などで、病気で伏せっている親を助けるために着物などを売って手に入れる、ひどい場合には子供を身売りしてしまうなど、庶民にはなかなか手に入らないものであり、病気を治すための最後の手立てというようなイメージを持ちます。
現在では、朝鮮半島、中国東北部を中心に栽培されていますが、昔は自生しているものを山奥まで探しにいって採取するしかなく、なかなか入手するのが難しく、高価で、庶民には手の届かないものであったことでしょう。

歴史を振り返ると、5世紀末の中国では、世界初の体系的な薬事書『神農本草経(しんのうほんぞうきょう) 』が著され、その中に人参の薬効は以下のように書かれ、最上の生薬として紹介されています。

 

神農本草経 私なりの表現にすると
五臓を養い 肝臓、腎臓、心臓、肺、脾臓(ひぞう)などの働きを助ける
精神を安んじ 精神や神経の高ぶりを静める
魂魄(こんぱく)を定め 肝臓や肺の働きを良好にする
動悸を止め 精神の不安定な状態や動悸を鎮める
邪気を除き 病気をひき起こす悪い要因から身を守る
目を明らかにし 視力を良くする
心を開き 心がおおらかになる
智を益す 頭の働きをよくする
身を軽くし 疲労をとりのぞきからだを軽くする
年を延ばす 寿命をのばす

 

これらの効能は、近年の西洋医学的な研究によっても確認されているところで、さまざまな体の不調に効果があることが示されています。

 

ところで、私の印象は、「高麗人参にこんな万能薬のような効能が本当にあるのか???」です。

 

高麗人参、ひとつの植物です。 薬草ですが...。
薬草とは、なんらかの作用を示すから薬草なのですが、その作用は多くの場合限られており、例えば、菌を殺すであったり、痛みを抑えるであったり、熱をとるであったりします。

 

ひとつの植物が万能薬のように働くとは、いったいどういうことなのでしょうか。

 

私なりに考えていることを、このブログにつづっていこうと考えています。

 

キーワードは、タイトルに書きましたように、「からだ」ってスゴい です。
高麗人参の効能に書かれていることは、本来、「からだ」が備えている力と近いような気がするのは私だけでしょうか。

 

想像してみてください。
お仕事などで疲れたとき、どうされますか。
私は、とにかく、寝ます。(なかなか時間が取れないんですけど...)

 

からだは生命力(ここでは、生命活動に必要な様々なエネルギーというイメージです)を使って活動していますが、一人がもつ生命力は無限ではなく(ここでは、そうしておきます)、この限られた生命力を上手に使い分けることで、さまざまな活動をしていると考えられます。

 

つまり、寝ることで、起きている時の活動に必要となる生命力の消費を少なくして、生命力に余裕分を作り出し、疲れをとるために使えるようにして、からだがより早く疲れをとれるような状況を作っているわけです。
その結果、疲れが解消し、活動力を取り戻すことができます。

 

これは、意識して生命力の余裕を作りだしている例ですが、ひとのからだの中では、絶えず、どこか不調なところがないかをチェックし、それがひどくならないうちに手当てをするために、生命力の使い道をほぼ自動的(無意識のうち)に調整しているといってもいいのではないでしょうか。

 

本当に、「からだ」ってスゴいですね。

 

高麗人参が、このからだの生命力を調整するしくみを助けているとしたら、すごいことだと思いませんか。

 

今回は、ここまでとさせていただきます。
高麗人参の神秘、このような感じで、切り込んでみたいと思います。

 

こんなことを考えている奴がいるんだと笑読いただけると幸いです。