春が来て「ずっと春だったらいいのに…」とは、もう思えない
2016 年 3 月 16 日研究開発室 松井
お久しぶりです。
研究開発室の松井です。
3月に入り、だんだんと暖かくなってまいりました。
この記事を執筆している日は、最高気温が20℃を超え、暑いくらいです。
気候的には、例年に比べて過ごしやすい毎日ですが、この時期は、あの憎いあんちくしょうもやってきます。
そうです、スギ花粉・ヒノキの花粉です。
実は私、アレルギー体質で、この時期になると、のどが痛くなるわ、鼻水ズルズルだわ、目は痒いわ…で何もする気がなくなり、のど飴が手放せなくなります。(ちなみに、スギ花粉・ヒノキ花粉・ハウスダストのアレルギーを持っています)。
そんな、春の強敵・花粉症(アレルギー)は、どのようにして起こるのでしょうか?
今回は、アレルギーが起こるメカニズムについてお話します。
そもそもアレルギーは、免疫機能の過剰な反応によって起こります。
免疫機能とは、本来、体内に侵入した病原体などの異物を攻撃して排除する機能のことで、この機能によって起こる反応を免疫反応といいます。
免疫反応は、以下のように起こります。
まず、免疫細胞の一種である好中球やマクロファージ(体内の偵察隊みたいなもの)が、体内に侵入した異物を食べます。
次に、マクロファージが「こんなやつが入ってきたわー」といった情報を周りに伝えます(抗原提示)。
その情報を受けたヘルパーT細胞が、B細胞やキラーT細胞に攻撃指示を出します。すると、B細胞は抗体を出して応戦し、キラーT細胞やマクロファージは異物に直接攻撃を仕掛けます。
異物を撃退したら、サプレッサーT細胞が攻撃終了の命令を出して終了です。
免疫反応の流れの中でも、B細胞が抗体を出す免疫反応を“液性免疫”、キラーT細胞やマクロファージなどによる直接攻撃(食作用)を“細胞性免疫”と呼びます。
前者は抗体が液体(血液)によって運ばれるため、後者は細胞が直接異物と触れるため、このように呼ばれます。
アレルギー反応に関わるのが“液性免疫”で、その中でもIgEという抗体が関わっているといわれます。
IgEは、肥満細胞などに加え、花粉などのアレルゲン(アレルギー原因物質)が結合することでヒスタミンやロイコトリエンを過剰に分泌し、くしゃみや痒みなどのアレルギー症状を引き起こします(この反応自体は、風邪の時にも起きています)。
そのため、アレルギー症状を抑える薬は、ヒスタミンなどの働きを抑えるものが多いです。
アレルギー性の疾患を持つ場合、既にIgEが肥満細胞に結合しているので、対処するには、「アレルゲンが入ってくるのを防ぐ」または「分泌された物質の働きを抑える」の2択になるからです(薬で、侵入してくる異物を防ぐことはできません)。
高麗人参も、アレルギー性疾患に効果があると考えられています。
上記で触れた異物に対する攻撃終了の指令は、最終的に副腎皮質ホルモンとして伝達されるのですが、高麗人参の有用成分ジンセノサイドは、その副腎皮質ホルモンの分泌量の調整をする働きを持つためです。
ですので、私も今年は人参を飲みながら、花粉症と戦っていきたいと思います。