高麗人参のチカラ Vol.1
研究開発室レポート
和漢の王様・高麗人参のパワーを
さらに飛躍させる
紅参(べにさん)が持つ可能性
およそ2000年前に記された中国最古の薬物書『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』によると、高麗人参は365種類の生薬のうち、最高位にあたる「上薬」とされます。その高麗人参のパワーをより高めた上級品が「紅参(べにさん)」です。
今回は、そんな紅参のチカラをさらに引き出す技術と、現代科学によって解き明かされつつある様々な健康パワーについて、豊富な試験データとともにご紹介します。
目次
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<はじめに>
高麗人参の多彩な働きと新たな可能性を皆様にお伝えしたい。
現代社会において、高齢化が進む中で人々の健康意識はますます高まっています。
私たち金氏高麗人参株式会社は、そんな社会のニーズに応えるため、
二千年の歴史を持つ滋養素材・高麗人参の研究と、商品開発に取り組んでいます。
日本における高麗人参の歴史は浅く、高麗人参そのものを目にする機会も少なく、
日本人にとって高麗人参は遠い存在。どう健康に良いのか、どんな飲み方をするのか、
品質を判断する基準もわからないという方が多いかと思います。
そこで、品質保証・研究開発室では、高麗人参の品質や効果効能など科学的根拠に
基づいたデータを取得することや、先輩諸氏が長年にわたって蓄積された貴重なデータを整理し、高麗人参の正しい情報を皆様にお伝えする義務があると考えました。
本冊子「高麗人参のチカラ」は、「Ginseng-ジンセン-」の続刊になります。
高麗人参の情報を、より分かりやすくお伝えするためにリニューアルいたしました。
今後も、高麗人参の啓蒙および、高麗人参に関する研究発表の場として、
皆様の健康づくりに役立つ情報をお届けしていきます。
本冊子を通して、高麗人参の素晴らしさを知っていただければ幸いです。

金氏高麗人参(株)
品質保証・研究開発室
室長 長谷川 昌康
和漢の王様・高麗人参のパワーを
さらに飛躍させる
紅参(べにさん)が持つ可能性
紅参には、生の高麗人参にはない希少な健康成分が含まれている!
医薬品であり、食品でもある
生薬・高麗人参
生薬には、主に病気の時に飲むものと、毎日飲んでも安全で、食文化として定着しているものがあります。厚生労働省は個々の生薬の効果と安全性を考慮し、前者を「専ら医薬品として使うもの」、後者を「医薬品と食品どちらでも使えるもの」と分類しています。高麗人参は、「医薬品と食品どちらでも使えるもの」に含まれています。
高麗人参は、多くの漢方薬の処方に使用される一方で、参鶏湯などの料理からサプリメントなどの健康食品まで、幅広く「食品」としても利用されています。ただし食品として販売する場合、医薬品のように効能効果を商品に表記することはできません。
しかし、医薬品であれ食品であれ、どちらも同じ高麗人参から作られており、食品として販売されている場合でも、医薬品と同等の効能効果が期待できる製品がある、ということになります。
パワー実感のカギは、
希少成分プレミアムジンセノサイドにある!
医薬品であり食品でもある高麗人参が幅広い効能効果を発揮するためには、有用成分ジンセノサイドの量とバランスが重要です。
ジンセノサイドは40種類以上もあり、トリオール系とジオール系の2つに大別できます。トリオール系ジンセノサイドは身体の活動を促す交感神経に作用し、ジオール系ジンセノサイドは心身をリラックスさせる副交感神経に作用します。
正反対の作用を打ち消し合うことなく、双方の作用を存分に発揮させるためには、トリオール系とジオール系の成分バランスがとても重要です。これまでの研究によると、ややジオール系が多い方が良いとされており、日本薬局方での医薬品としての成分規格も、ジオール系が多めに定められています。
さらに、高麗人参の成分のなかでも特に優れているとされるのが、プレミアムジンセノサイドです。これは、ジンセノサイドのなかでも特に分子が小さいもので、吸収性に優れていることが特長です。
このプレミアムジンセノサイドは、高麗人参の根を紅参に加工する過程で産生され、これを熟成させたり、発酵させたりすることで、さらに量と種類が飛躍的に増加します。
「熟成」と「発酵」により
紅参のチカラをさらに高める!

長年にわたる研究で確立した
独自の熟成・発酵技術
弊社では長年、紅参の健康パワーを高めるプレミアムジンセノサイドを大幅に増加させる研究を重ねてきました。その結果、2つの方法を発見。
一つは、紅参から抽出したエキスを熟成させる方法です。水やアルコールを使用して丹念に紅参エキスを抽出し、数日間かけて熟成させることにより、実感のカギとなる吸収性の高いプレミアムジンセノサイドを大幅に増加させることに成功しました。
もう一つは、紅参粉末を発酵させる方法です。一般的な発酵高麗人参は、高麗人参エキスを乳酸菌で発酵させていますが、その方法では熟成させた時以上にプレミアムジンセノサイドの種類と量を増やすことはできませんでした。そこでさらに研究を重ね、紅参を粉砕した後に、麹菌を用いて発酵させる方法を発見。これにより、熟成では生み出すことのできなかった、より吸収性の高い7つのプレミアムジンセノサイドを誕生させることに成功したのです。
高麗人参の健康パワーを最大限に実感するためには、活動と休息の成分バランスがとれたもの、さらに、紅参熟成エキスや発酵紅参粉末などを用いて、吸収性の高いプレミアムジンセノサイドを豊富に含んでいるものを選ぶことが大切です。
【紅参の効果1】
抗酸化力を高めて
疲労を改善する!
疲労が溜まりやすくなるのは、活性酸素の発生量と抗酸化力のバランスが崩れてしまうことが原因の一つです。
活性酸素は体の働きを正常に保つ役割があり人体に欠かせないものである一方、細胞を傷つける悪者です。そのため、激しい運動やストレスなどによって過剰に産生されると、本来備わる抗酸化力だけでは消去できず、神経組織や細胞に悪影響を及ぼしてしまいます。
高麗人参には、活性酸素の発生を抑制したり、活性酸素によるダメージを修復する「抗酸化力」を高める働きが備わっていることが明らかになっています。
試験データ
活性酸素に対する抗酸化力を実証
高麗人参粒、エキス粒を飲用した人の血液の抗酸化力を、飲用前と1週間飲用後に血液を採取して測定しました。その結果、高麗人参がヒトの体の抗酸化力を高めるという有用な結果が確認されました。


【紅参の効果2】
自律神経のバランスを整え
腸内環境や睡眠を良好にする!
自律神経は、呼吸や血流、体温調節や消化吸収など身体の様々な機能を調整しています。しかし、ストレスや生活習慣の乱れなどによりそのバランスが崩れると、不眠や便秘、疲労感など様々な不調が訪れます。
高麗人参には自律神経のバランスを整えてストレスを和らげる働きがあり、その結果、排便のリズムが整うだけでなく、善玉菌の増殖を促し、腸内環境を整えることが分かっています。さらには、睡眠の質を高めることで目覚めがよくなり、その後の集中力にも改善がみられるなどのデータもあります。
自らのチカラで元気を作るサポートをしてくれるのが高麗人参なのです。
試験データ
善玉菌を増やす!
10匹のマウスに、紅参から抽出したサポニン(主にジンセノサイド)を1日に500mg/kg、15日間欠かさず飲ませました。その結果、善玉菌である「ビフィズス菌」や「酪酸菌」の相対量が有意に増加。このことから、高麗人参が腸内環境を整えることがわかりました。

試験データ
睡眠の質を高める!
睡眠の質に悩みを持つ男女56名を、紅参熟成エキス粒を飲むグループと飲まないグループに分けて、12週間毎日飲んでいただきました。結果、目覚めの良さに有意な改善がみられました。

【紅参の効果3】
肝機能・腎機能を高め、
様々な不調を和らげる!
試験データ
アルコールの分解を助ける!
25~49歳の健康な男性25名を紅参エキス摂取群と水摂取群に分け、ウィスキー100mLを飲ませた後に紅参エキス32.1mgまたは水を摂取させ、血漿アルコール濃度を測定しました。その結果、紅参エキス摂取群は、水摂取群よりも血漿アルコール濃度が有意に低い結果となりました。このことから高麗人参には、悪酔いを緩和する可能性があることがわかりました。

試験データ
糖尿病性腎症の進行を
緩やかにする
2型糖尿病モデルラットを2群に分けて、片方に高麗人参の有用成分ジンセノサイドRg3(S)を1日10mg/kg体重摂取させました。その結果、ジンセノサイドRg3(S)を摂取したラットの腎障害は有意に抑えられ、尿タンパクの増加が有意に抑制されました。

【紅参の効果4】
「キレイ」への関心にも
高麗人参が応える!
試験データ
肌の水分量がアップ!
二の腕と左頬の水分量を調べた結果、有意な増加が見られました。紫外線などの肌ストレスを受けにくい二の腕は4週間後の検査で水分量が上昇。一方、外から刺激を受けやすい左頬は8週間後に水分量が上昇しました。このことから、高麗人参は肌の保湿に関わる要因に働きかけて「肌の潤い」を保つことがわかりました。



被験者:40~54歳の女性12名 摂取期間:8週間
試験品:高麗人参粒(紅参粉末+紅参熟成エキス末/1粒300㎎) 摂取粒数:3粒/日
試験内容:飲用前、4週間後、8週間後に肌の状態を検査。8週間後にはアンケートで実感に関する調査を実施。
試験データ
足のむくみが軽減!
本試験では、足の体積が午後に増加することを「むくみ」と定義し、午前と午後に測定した足の体積の差を「むくみの程度」と呼んでむくみの評価に用いました。試験では、飲用8週目以降に、むくみの程度が有意に低下しました。この結果から高麗人参は、足のむくみを和らげることがわかりました。

被験者:「むくみ」が認められた男女12名 摂取期間12週間
試験品:高麗人参粒(紅参粉末+紅参熟成エキス末/1粒300mg) 摂取粒数:3粒/日
試験内容:飲用前、4、8、12週間後に「むくみの程度」を評価
【紅参の効果5】
高麗人参が認知症予防をサポートする!
約7割は
アルツハイマー型
私たちが恐れる大きな病気の一つが認知症です。65歳以上の4人に1人が認知症またはその予備群と言われています。認知症にはアルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症などいくつか種類があり、中でもアルツハイマー型認知症は全体の7割近くを占めます。
発症の原因は明らかになっていませんが、アルツハイマー型を患っておられる方の脳には特徴があります。一つは、脳の海馬(記憶を司る部分)の神経細胞から死滅していくこと。もう一つは、大脳皮質に老人斑と呼ばれるシミや神経原線維変化という異常な繊維が見られることです。
老人斑はアミロイドβというタンパク質が蓄積したもので、神経原線維変化はタウ蛋白と呼ばれるタンパク質の一種が繊維を形成し蓄積したものです。これらが増えると神経細胞が死滅し、脳が委縮。その結果、記憶障害や見当識障害などの症状が起こると考えられています。こうした変化には活性酸素が関わっているという説もあります。
高麗人参が示す
多様な働き
残念ながら現在、アルツハイマー型認知症の進行を完全に止めることや、根本的に治す方法は見つかっていません。しかし一方で、アルツハイマー型認知症は糖尿病や脳血管障害といった生活習慣に関わる病気を防ぐことで発症リスクを抑えられることがわかってきました。
高麗人参には、活性酸素の除去、血流の改善、脂質の代謝促進、コレステロールの調整などの多様な働きがあります。これらの作用によって生活習慣病を予防・改善することで、結果としてアルツハイマー型認知症の予防につながると考えられます。
高麗人参とアルツハイマー型認知症の関係性については、下記に掲げるように多くの論文が発表されています。そこからは、次のような高麗人参の働きが読み取れます。
- ●抗酸化作用による活性酸素の低減
- ●抗炎症作用による脳神経細胞の保護
- ●アミロイドβの産生と蓄積の阻害
- ●情報伝達を担う神経伝達物質アセチルコリンの産生を促進
大学との
共同研究を進めています
2025年には5人に1人が75歳以上、3人に1人が65歳以上になると言われています。超高齢社会を生きる私たちにとって認知症対策は大きな課題です。
現在、滋賀医科大学と共同で認知症予防に対する高麗人参のサポート力についての研究を進めています。その成果については、わかり次第本誌でお伝えしていきます。
認知症への効果を示唆する論文
高麗人参ほど世界各地の研究機関や病院等で長年研究され、多岐にわたる有効性が科学的に証明されている食材はありません。認知症に関しても日々研究が進んでいます。
試験データ
認知機能の向上
50代~80代のアルツハイマー患者61人を、【紅参粉末を1日4.5g摂取するグループ(15人)/1日9g摂取するグループ(15人)/非摂取グループ(31人)】の3グループに分けて24週間摂取させ、摂取前後に認知機能の評価(MMSE)を行いました。摂取前後、非摂取グループに大きな変化がなかったのに対し、摂取グループにはスコアの有意な改善が見られました。
この結果から、高麗人参が認知機能の向上をサポートする可能性があることがわかりました。
※Heo JH, et al., J Ginseng Res 35:457-461 (2011)

認知機能低下や記憶障害を抑制
アルツハイマー型認知症モデルマウスにジペノサイドⅩⅦを投与したところ、神経細胞障害の原因と考えられているアミロイドβ蛋白の脳海馬での沈着を抑制。空間認知機能の低下や記憶障害も抑えられました。
※Meng X, et al., J Alzheimers Dis 52:1135-50 (2016)
アミロイドβから神経細胞を守る
神経細胞を用いた実験においてジペノサイドⅩⅦを加えたところ、アミロイドβ蛋白による細胞障害が抑制されました。このことから、認知症(主にアルツハイマー型認知症)への効果が示唆されました。
※Meng X, et al., Toxicol Appl Pharmacol 279:63-75 (2014)
学習能力向上をサポート
脳機能の改善促進において、ジンセノサイドRg1が学習能力と記憶力の向上にも作用することが示唆されました。
※Zhu G, et al., Neuroscience 292:81-89 (2015)
神経細胞死を抑制
ジンセノサイドRg1、Rg3がグルタミン酸による、ラット神経細胞死を抑制しました。。
※Kim YC, et al., J Neurosci Res 53:426-432 (1998)
アミロイドβの蓄積を抑制
アルツハイマー型認知症モデルマウスに、ジンセノサイドRg3を3週間、摂取させたところ脳のアミロイドβの蓄積が抑制されました。
※Kang MS, et al., J Biol Chem 288:20868-82 (2013)
古来より伝わる人参 七 効説

古来より多彩な効能を持つと言われ重宝されてきた高麗人参。七効説のほとんどが、現代科学のチカラで実証されています。また、約二千年前に書かれた中国最古の薬物書「神農本草経」には、「長く服用しても身体に害のない、生命を養う不老長寿の妙薬」と紹介されています。高い安全性と多彩な効能を持つ高麗人参は、超高齢化社会を生き抜く現代人の必需品と言えるでしょう。








