最新研究レポート 大学との共同研究で解明した 高麗人参の抗酸化力 最新研究レポート 大学との共同研究で解明した 高麗人参の抗酸化力

『品質保証・研究開発室』では、活性酸素に対する高麗人参の働きについて、酸化ストレスが疾病に及ぼす影響に関する研究に詳しい同志社大学大学院 生命医科学研究科の市川寛 教授(医学博士・医師)と共同研究を進めています。

同志社大学大学院 生命医科学研究科 市川 寛 教授 医学博士・意思、日本抗酸化ストレス学会理事、日本抗加齢医学会評議員 同志社大学大学院 生命医科学研究科 市川 寛 教授 医学博士・意思、日本抗酸化ストレス学会理事、日本抗加齢医学会評議員

活性酸素が老化や不調を招く?

物質や細胞などをサビつかせる力(酸化力)が強い酸素のことを活性酸素、この活性酸素を生体内で消去する能力を抗酸化力と呼びます。

活性酸素種と体内での反応経路

酸素は呼吸などで肺から取り込まれ、エネルギーを生み出し私たちの活動力の源となりますが、0.1%程度の酸素は活性酸素のO2-(スーパーオキシドラジカル)となります。また、生活環境や食事などのストレス(紫外線、重金属など有害物質)からも活性酸素が発生します。スーパーオキシドラジカルの一部は、過酸化水素を経由してヒドロキシラジカルに変化します。このヒドロキシラジカルはとても反応性が強く、まわりの脂質やタンパク質と反応して、メチルラジカル、アルキルペルオキシラジカル、アルキルオキシラジカルといった活性酸素種を発生させ、身体に悪い作用を及ぼします。

一方、身体には、スーパーオキシドディスムターゼやカタラーゼなどの抗酸化酵素およびグルタチオンやユビキノン(CoQ10)などの抗酸化物質、さらには食事から得られるビタミンCやE、ルテインを利用してこれら活性酸素を消去する仕組みがあり、身体を守っています。

しかしながら、発生する活性酸素種が過剰となり、身体の消去能力が追いつかなくなると、脂質やタンパク質、遺伝子に傷害を与え、老化や様々な疾患の原因になります。

素材の抗酸化力を総合的に計測するMULTIS法

抗酸化力を測る方法はいくつかありますが、『品質保証・研究開発室』が選んだのは「MULTIS(マルティス)法」です。この方法の特徴はスーパーオキシドラジカル、ヒドロキシラジカル、一重項酸素、メチルラジカル、アルキルペルオキシラジカル、アルキルオキシラジカルという6種類に対する消去能力を同時に測定できること。
体内では、様々な種類の活性酸素が悪さをしています。そのため、1種類の活性酸素に対する消去能力だけを調べても、根拠としては不十分と考えられます。その点、MULTIS法は複数の活性酸素を評価できるため、高麗人参の抗酸化力を総合的に調べるのに適した方法でした。

試験管内の試験で抗酸化力を実証

『品質保証・研究開発室』では、まず試験管内での働きを確認することにしました。その試験には、2種類の紅参素材(素材A:紅参熟成エキス粉末、素材B:紅参粉末と紅参熟成エキス粉末の混合粉末)を使用。紅参は高麗人参を蒸して乾燥させた上級品で、生の高麗人参よりも有用成分ジンセノサイドの量と種類が多いのが特徴です。

この2つの素材について、MULTIS法を用いて抗酸化力を測定したところ、素材Aにはヒドロキシラジカルを消去する力が非常に強いことが明らかになりました。また素材Bにはヒドロキシラジカルとアルキルペルオキシラジカルに対する消去能力があることが分かりました。

ヒト試験も有用な結果に

次に吸収性の高い紅参熟成エキス粉末を粒に加工した「紅参エキス粒」と、紅参粉末と紅参熟成エキス粉末を混合して粒に加工した「紅参粒」を実際に飲んでもらい、血液の抗酸化力を調べるヒト試験を実施しました。
その結果、「紅参エキス粒」ではヒドロキシラジカルとスーパーオキシドラジカルに対する消去能力が向上。「紅参粒」ではヒドロキシラジカルとアルキルオキシラジカルに対する消去能力が高まり、とても興味深い事実が得られました。

臨床試験結果
「紅参エキス粒」と「紅参粒」による抗酸化力の変化

「紅参エキス粒」と「紅参粒」による抗酸化力の変化を計測するため、被験者に「紅参エキス粒」と「紅参粒」を、それぞれ1日18粒を7日間欠かさず摂取してもらい、飲用前と飲用1週間後に血液検査を行いました。 飲用前を100として、7日間摂取した後の値の変化をグラフ化しました。

紅参エキス粒

被験者:
平均年齢43.6歳の男性5人

供試物:
紅参エキス粒(紅参熟成エキス粉末を粒にしたもの)1粒300mg

紅参粒

被験者:
平均年齢44.6歳の男性5人

供試物:
紅参粒(紅参粉末+紅参熟成エキス粉末を粒にしたもの)1粒300mg

高麗人参が抗酸化力をサポート

試験の結果、「紅参エキス粒」はヒドロキシラジカルとスーパーオキシドラジカルに対する消去能力を向上させることが明らかに。また、「紅参粒」はヒドロキシラジカルとアルキルオキシラジカルに対する消去能力を高めることが分かりました。

プロフィール

市川 寛 教授

同志社大学大学院
生命医科学研究科

医学博士・医師。 酸化ストレス研究で優れた実績を持つ。日本酸化ストレス学会の理事、日本抗加齢医学会の評議員を務めるなど、医療や栄養に関連する、30を超える学会で活躍。2007年度日本過酸化脂質・フリーラジカル学会論文賞など多数受賞。

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