「からだ」ってスゴい(七)
2016 年 2 月 17 日研究開発室 徳田
研究開発室の徳田英昭です。
今回もよろしくお願いします。
まだまだ、寒い日が続いていますね。
寒さにめっぽう弱い私は、毎朝、布団から出るのが大変です。
さて、前回(11月18日更新)に引き続き、腎臓のお話をさせていただきます。
前回は、「腎臓の働きは大きく分けて、
- 老廃物などを尿として排泄
- からだの水分量を調節
- からだのミネラルなど電解質を調節
- 体液のpHを調整
- 血圧を調節
- 赤血球の生成を調節
- その他
の7項目が挙げられる」という話と、この中の「1~3の働きについて」ご紹介しました。
今回は、4の働きから詳しく見ていきましょう。
4. 体液のpHを調整
人間の体液のpHは、7.35〜7.45の弱アルカリ性かつ、極めて狭い範囲に保たれなければいけません。
腎臓には体液の濃度を調節し、体内のpHのバランスを取る働きがあります。
この働きにより、体液が酸性に傾いた時はアルカリ性の重炭酸イオンの排泄を抑え、アルカリ性に傾いた時は重炭酸イオンを多く排泄して、体液のpHを一定に保ちます。
5. 血圧の調整
血圧が低下して血流が悪くなると、腎臓に流れ込む血液量が減り、血液をろ過する機能にも影響が出ます。
その機能低下を防ぐため、腎臓は、血圧が低下すると腎臓の糸球体にある細胞からホルモン(レニン)を分泌し、血管を細く収縮させて血圧を上昇させます。
その一方で、血圧が上昇し過ぎると、腎臓の髄質から別のホルモン(カリクレインやキニン)を分泌し、血管を拡張して血圧を下げます。
このように腎臓は、ホルモンの分泌を通じて、血圧の調整も行っているのです。
6.赤血球の生成を促す
腎臓は、赤血球の生成を促す“エリスロポエチン”というホルモンを分泌します。
血液中の赤血球には、主に酸素を運搬する役割がありますが、その赤血球が減少して酸素不足になると、腎臓からエリスロポエチンが分泌され、骨髄に作用して赤血球の生成を促します。
腎臓病が進行すると、貧血の症状が出ることがあります。
この原因は、腎臓の機能低下によってエリスロポエチンの分泌が減少し、赤血球の産生量が減少してしまうことにあると考えられています。
7.その他
これらの働き以外にも、腎臓は、骨の強化に一役買っています。
というのも腎臓には、骨の代謝に欠かせないビタミンDを食品から摂取した際、肝臓と協力して活性型ビタミンDに変化させる働きがあるのです。
この活性型ビタミンDは腸内でカルシウムの吸収を促し、骨へのカルシウムの沈着を促進させます。
このように、身体の重要な働きを担う腎臓は、十分すぎるくらいのキャパシティーを持っています。
腎臓移植を例に挙げてみましょう。
本来、腎臓は左右に1つずつあります。
ですが、腎臓の1つを手術で移植したとしても、この1つで腎臓すべての機能を果たし、日常生活に全く支障をきたしません。
このように、腎臓は余裕のある臓器ですので、一部で機能が低下したぐらいでは、自覚症状が現れません。
万が一、腎臓の不調を感じてしまった時は、病状がかなり進行していると考えてもいいでしょう。
それほどまでに、腎臓は我慢強い臓器なのです。
腎臓の病気は、簡単にいうと2つのパターンが考えられます。
1つは、本来からだに必要なものが間違って尿に排泄される(タンパク尿など)場合。もう1つは、本来からだから排泄されるはずの老廃物が排泄されなくなる場合があります。
腎臓の病気の原因はさまざまで、長い時間をかけて少しずつ気付かないうちに症状が進んでいくのが特徴です。
だからこそ、普段から生活習慣に気をつけて、健康に過ごしていただきたいと思います。
高麗人参は、そのお供に最適な健康素材。体調の異変を感じる前から、少しずつお飲みいただくことをオススメします。
それでは、今回はここまでとさせていただきます。
まだまだ寒い日が続きそうです。
インフルエンザなどで体調を崩されませんよう、お気をつけください。