高麗人参の分析(7)-
2016 年 1 月 19 日主席研究員 理学博士 三原
【問題】以下は、何の数字でしょう?
5.4
10.4
2.6
4.1
4.3
5.4
3.3
5.3
正解は、8本の紅参(胴体部分)を、別々に分析した時のジンセノサイドRb1の各含有量(mg/g)です。
当社で、ジンセノサイド分析を立ち上げたばかりの頃に「高麗人参の成分含有量は、どれぐらい個体差があるのか」を知るために分析したのですが、結果はバラバラ。
8本分析して、1つのジンセノサイドだけで2.6から10.4まで、最小値と最大値には約4倍もの違いがありました。
これらの紅参は、すべて同じ産地・同じロットで、見た目もほとんど同じです。
しかし、いざ分析してみると、想像以上に成分量のバラツキが大きかったため、当時は「ジンセノサイドの含有量が一定の製品を、どうやって作り上げれば良いのか」と不安になったものでした。
高麗人参は、主に韓国や中国、日本の一部地域で栽培されている農作物です。
同じ見た目の大根でも、辛かったり甘かったり。みかんでも、甘かったり酸っぱかったりしますよね。
それと同じように、高麗人参にも成分の含有量に個体差があります。
先日、自宅でイチゴを食べた時は、「この粒は甘いなあ。当たり。」「酸っぱい。」と、家族で感想を言いあっていました。
同じパックのイチゴでも、1粒1粒に成分含有量の違いがあるんですね(スーパーで安いパックしか買わないからかもしれませんが…)。
もし、分析を全く行わずに製品を作ると、どんなことになるのか。
おそらく、違う時期に作った製品(ロットが違う製品)で、成分の含有量が全く異なるでしょう。
つまり、その時々によって、成分含有量の多い製品・少ない製品が作られる…ということですね。
すると、お客様が飲用された時に「先月と今月で、飲んだ実感が違う!」とか「前より効かない!」と思われるかもしれません。
そうならないように、私達は、原料から製品に至る各段階で随時分析を行い、うまく調整しながら製造しているのです。
ついでに申し上げると、当社ではジンセノサイド高含有の原料を厳選して使用しています。
冒頭で紹介した分析値の紅参のうち、当社の基準を満たす紅参は、ほんのわずかです。
このような管理のもとで製造された当社製品は、成分含有量がほぼ一定で、なおかつジンセノサイド高含有です。ご安心ください。
毎回、同じ実感、高い実感が得られる製品を作り続けること。
私達はこのことを重要と考え、日々分析しています。
ジンセノサイド分析の苦労話は、各担当者からお話があることを期待して、今回はここまでにします。