高麗人参の分析について
2014 年 4 月 16 日主席研究員 理学博士 三原
研究開発室 三原です。
ブログ第3回ということで、まだ始まったばかりなので、研究開発室の日々の業務のひとつ、高麗人参の分析について紹介したいと思います。
多くの人々は日常生活のあらゆる場面で何かを分析しています。
たいていは、「知りたいこと」があった時に、「知りたいこと」に対する最適な指標を分析しています。
例えば、ダイエットの効果を確かめたい時は体重計にのり、風邪をひいたかなと思えば体温を測り、料理の出来を確認したい時は味見し、相手の気持ちを知りたい時は顔色をうかがう、といった具合です。
私達の場合、健康食品を扱っていますので、やはり気になるのが、「効果の源となる成分がどれくらい含まれているか」ということです。
高麗人参の主な有用成分はジンセノサイドですが、ジンセノサイドというのは総称で、40種類以上のジンセノサイドがあることが知られています。
ですので、私達が扱う高麗人参の原料や商品に、どのような種類のジンセノサイドが、どの程度含有されているかを知っておきたいわけです。
特に、商品を製造する際、原料から商品になるまでの各段階でジンセノサイドを分析することは、大変重要だと考えています。
というのも、高麗人参は農作物ですので、一本一本に含有されるジンセノサイドの量にばらつきが大きく、分析もせずにそのまま商品にすると、商品の一粒一粒に含まれる有用成分に大きな差が生じてしまうからです。
昨日飲んだ一粒と今日飲んだ一粒で実感が全く違うと、毎日何粒飲んだらよいのか分かりません。
それに、最終的に商品を分析しなければ、違いがあることすら分からないまま販売することになります。
それはよくありません。
そこで、商品において有用成分の量を一定にしたいという私達の想いを満たすべく、製造の各段階で分析して、必要に応じて細かな調整を行っています。
そして、最終の商品の分析で一定品質であることを確認して、初めて安心して世の中に商品を送り出しています。
成分分析なくして高品質はあり得ません。
また、様々な商品開発においても、まずは分析を行うことが重要です。
例えば、数多くあるジンセノサイドのうち、身体に有用な特定のジンセノサイドに着目して開発を進めることがありますが、その時、もし着目しているジンセノサイドが分析できなければ、研究開発を進めることはできません。
特定の有用成分を分析し、それを指標にすることによって、スムーズに開発を進めることができるのです。
私達はいつも、何らかのジンセノサイドが増えた、減ったなどと言いながら研究開発を行っています。
そういうわけで、高麗人参の分析、とりわけジンセノサイドの分析は、研究開発室の重要な基幹技術として位置づけられており、研究員全員がその技術を習得しています。
そんなジンセノサイドの分析ですが、私達の研究室では現在32種類のジンセノサイドを分析することができます。
ここまで数を増やすのは簡単ではありませんでしたが、多くのジンセノサイドを分析できるようになると、研究の幅が広がるだけでなく、他社の商品や様々な原料について、色々なことが分かるようになります。
このあたりの話は次の機会にご紹介したいと思います。
以上