認知症改善

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認知症改善(高麗人参の比較的新しい効能に関する文献)

1.基礎医学の立場から脳血管性認知症に挑戦~薬用人参の効果を中心に

The Ginseng Review No19 (1995)3-9
阪中雅広、温同春 彭輝
愛媛大学医学部解剖学第二講座
(結語)

紅参経口投与は虚血性神経細胞死に伴う学習行動障害を予防する。本研究結果は紅参が脳梗塞の進展、再発防止、脳血管性認知症に対して有効な薬物となりうることを示唆している。紅参中の主たる虚血神経細胞保護成分はジンセノサイドRb1である。

2.アミロイドβ蛋白による神経細胞死導入と癌抑制遺伝子p53、アポトーシス抑制因子bcl-2、アポトーシス誘導因子baxの役割:紅参サポニンによる神経細胞死の制御

The Ginseng Review No.27(1999)55-61
龍野一郎、奥田佳子、田中知明、内田大学、中村晋、野口義彦、*平井愛山
千葉大学医学部第二内科 *千葉県立東金病院
(結語)

本研究により、サポニンの一部RcとRb1がアミロイドβ蛋白によるPC12細胞の細胞死を抑制することが明らかとなり、このことは少なくとも一部のアルツハイマー病に薬用人参、その成分であるサポニンに予防効果が期待できる可能性を示唆する。その作用機構としては細胞周期制御因子の解析よりアミロイドβ蛋白による細胞周期停止には影響を及ぼさずその先のp53集積移行のBax,Bcl-2等の細胞死の制御機構を介して働く可能性を強く示唆した。

3.ジンセノサイドRg3はネプリライシンの遺伝子発現を高めることによりβ―アミロイドペプチドの分解を促進する

J Pharm Pharmacol. 2009 Mar,61(3):375-80
Yang L, Hao J, Zhang J, Xia W, Dong X, Hu X, Kong F, Cui X.
Institute of Biochemistry and Molecular Biology, School of Medicine, Shandong University, Jinan 250012, Shandong, China
(目的)

β―アミロイドペプチド(アベタ)の蓄積はアルツハイマー病の病理学的カスケードに導く引き金となる。アベタの定常状態レベルは同化と異化作用とアルツハイマー病に導くこの活性の調節異常との代謝バランスによって決定される。最近の研究ではネプリライシンは脳内でのアベタ分解における律速酵素であることが示された。高麗人参は中国で広く使用されており、老化疾患関連の予防と治療に向けた強壮剤として使用されている。我々はこの使用の基本を研究することを目的とした。

(方法)

高麗人参の主要な活性成分の一つジンセノサイドRg3を用いてスエーデン変異のβ―アミロイド前駆蛋白(SweAPP)を形質導入したSK-N-SH細胞におけるアベタ40と42の代謝におけるRg3の効果を研究した。

(結果)

エリーザの結果ではRg3はアベタ40と42のレベルを大幅に減少させた(各々P<0.01)。ウエスタンブロット分析でRg3はNEP遺伝子の発現を通してアベタ40と42のレベルを減じることを示した。そしてリアルタイムPCRアッセイではRg3 50μMでNEP遺伝子発現を大幅に強めることができることを示した。

(結論)

Rg3はアルツハイマー病にかかっている患者に有益であることがわかった。

4.ジンセノサイドはハンチントン病の細胞モデルにおける線条体神経細胞を守る

J Neurosci Res. 2009 Jun;87(8):1904-12.
Wu J, Jeong HK, Bulin SE, Kwon SW, Park JH, Bezprozvanny I.
Department of Physiology, UT Southwestern Medical Center at Dallas, Dallas, Texas 75390, USA
(目的)

ハンチントン病(HD)のモデルマウスのYAC128からとげのある線条神経(MSN)の培養で試験管でのHDのアッセイを開発し、その方法で我々は10個の異なるジンセノサイドをテストした。ジンセノサイドRb1とRcのnmol濃度で効果的にグルタメートが誘導するアポトーシスからのYAC128培地とげのある神経細胞を守る。そしてRg5はμmolで神経細胞を守った。テストされた他の7つのジンセノサイドは効果がなかったか又はMSN培養に毒性的に働いた。Rb1、Rc、Rg5の神経保護作用は培養したMSNにおいてグルタメートから誘導されるCaイオン応答を阻害する能力が相関していることがわかった。これらの結果から、我々はジンセノサイドRb1、Rc、Rg5はHDの治療のための可能な治療選択肢を与えることや他の神経変性疾患への可能性を与えることがわかった。

ハンチントン病:不随意運動(舞踏運動)と進行性の痴呆を主症状とし、病理学的には大脳の線条体(尾状核と被核)の神経細胞の変性脱落を示す常染色体優性遺伝の病気。

5.アルツハイマー病の患者における認知障害のための免疫賦活剤治療としての高麗紅参の非盲検トライアル

Eur J Neurol. 2008 Aug;15(8):865-8.
Heo JH, Lee ST, Chu K, Oh MJ, Park HJ,Shim JY, Kim M.
Department of Neurology, Seoul Medical Center, Seoul, Korea
(背景と目的)

人参はワールドワイド的に最も一般的なハーブの一つです。高麗人参はいろいろな臨床的応用があり、認知増強剤として大きな効果があると見える。この研究ではアルツハイマー病の患者における通常の抗認知医療への免疫賦活療法として高麗紅参の有効性を調べた。

(方法)

試験は12週間のランダム試験でデザインした。アルツハイマーの61人の患者(男性24 女性37)が次の処置グループにランダムに割り振られた。低投与群(KRG 4.5g/日 n=15)高投与群(9g/日 n=15)コントロール群(n=31) アルツハイマー病の評価尺度(ADAS)、ミニ精神状態検査の韓国バージョン(K-MMSE)と臨床認知症評価(CDR)で12週間の終わりに認知と機能の出来具合の変化が評価に使用された。

(結果)

KRG高投与群はコントロール群と比較すると12週間後ADASとCDRに大幅な改善を示した(P=0.032, 0.006)。KRG処理群はコントロール群と比べるとベースラインのMMSEから改善を示した(1.42対-0.48)。しかしこの改善は統計的有意差はなかった。

(結論)

KRGはアルツハイマー病の治療に良い効果を示したが、KRGの効果を確立するためにはより多くの患者やより長いトライアルが必要である。

6.高麗人参はアルツハイマー病において認知成績を高める

Alzheimer Dis Assoc Disord. 2008 Jul-Sep;22(3):222-6
Lee ST, Chu K, Heo JH, Kim M.
Department of Neurology, Clinical Research Instiyute, Seoul National University Hospital, Seoul, South Korea.

継続的なアルツハイマー患者(AD)はランダムに人参群(n=58)とコントロール群(n=39)に割り振られ、人参群は粉末を4.5g/日、12週間摂取した。認知の成績はミニ精神状態検査(MMSE)とアルツハイマー病評価尺度(ADAS)が人参処置の12週間の途中と終了後にモニターされた。MMSEとADASは両群の間でベースラインの違いは示さなかった。人参投与後、ADASとMMSEスコアは改善を示し始めた。そして12週間まで続いた(P=0.029, P=0.009ベースラインに対し)。投与中止後改善したADASとMMSEスコアはコントロール群のレベルまで落ちた。これらの結果から、高麗人参はAD患者の認知成績に臨床的に効果があることを示唆した。

7.高麗人参のジンセノサイドRg2は血管性認知症をもったモデルラットにおける記憶障害を抗アポトーシスにより防御する。

J Ethnopharmacol. 2008 Feb 12;115(3):441-8.Epub 2007 Oct 25
Zhang G, Liu A, Zhou Y, San X, Jin T, Jin Y.
Department of Physiology, Medical College of Qingdao University, 308 Ningxia Road, Qingdao 266071, PR China.

このレポートでは脳虚血性再潅流が誘導する血管性認知症モデルラットにおける尾状核神経細胞アポトーシスと神経学的応答、記憶の損傷に関するジンセノサイドRg2の効果を研究した。

(結論)

アポトーシスに関連した蛋白の発現を調節するジンセノサイドRg2の能力は血管性認知症や他の虚血性発作のための可能性のある治療戦略を代表することを示唆している。

8.PDAP-pV7171形質転換マウスでの海馬アセチルコリンとモノアミンに関する人参とイチョウ葉エキスの効果

Zhongguo Zhong Xi Yi Jie He Za Zhi. 2007 Sep;27(9):810-3.
Cong WH, Liu Jx, Xu L.
Research Center of Xiyuan Hospital, China Academy of Chinese Medical Science, Beijing.
(目的)

アミロイド前駆蛋白質(APP)を形質転換したマウスにおいて海馬の神経伝達物質に関してNWK(人参エキスとイチョウエキスの組成物)の効果とその可能なメカニズムの解明

(結論)

NWKはAPP形質転換マウスにおいて、海馬アセチルコリンとモノアミンシステムの能力に関し特にコリン作動性と5-HTシステムに関し大変制御的な効果を示す。それはADモデルの学習や記憶を改善するメカニズムの一つであろう。そのためにNWKは確かにADに対し治療効果を発揮するかもしれない。

9.PC12細胞(神経細胞のモデル----培養可)におけるグルタミン酸から誘導される神経毒に対するジンセノサイドRg2の防御効果

J Ethnopharmacol. 2007 May 22;111(3):458-63
Li N, Liu B, Dluzen DE, Jin Y.
Department of Physiology, Medical College of Qingdao University, Qingdao 266071, PR China

我々の研究はジンセノサイドRg2は抗酸化と抗アポトーシスに関係するメカニズムを通してグルタミン酸に誘発される神経毒に対して神経保護効果を持っていることを示唆する。加えるにアベタ1-40の生成に対するジンセノサイドRg2の阻害効果はRg2がアルツハイマー病の可能性のある治療方法の代表となるかもしれないことを示唆する。

10.学習と記憶の能力促進においてジンセノサイドRg1の効果に関する研究の進歩

Zhongguo Zhong Xi Yi Jie He Za Zhi. 2006 Oct;26(10):956-60
Liu Y, Li X, Yuan HF.
The Second Affiliated Hospital of the Medical College, Xi'an Jiaotong University, Xi'an.

人参が認知症の治療に効果的であるのと、学習・記憶能力向上にはRg1がメインの成分であることが証明されている。最近、多くの研究者がRg1関連のメカニズムと行動を明らかにするため研究が実施された。そしてそれは複数のターゲットとリンクの間を通じて抗認知と向知性の効果を発揮することが説明された。このようにジンセノサイドRg1の臨床使用が上がるための理論的ベースを提供する。

11.脳虚血再灌流に続くラットの海馬領域におけるインターロイキンー1βとc-fos蛋白の発現に関する人参エキス組成物(CGE)の影響

Zhongguo Zhong Yao Za Zhi. 2004 Jun;29(6):570-5.
Shi J, Tian JZ, Zhu AH, Yin Jx, Gao Y, Lin JY, Wang YY.
Department of Care of Elderly, Dongzhimen Hospital, Beijing University of Chinese Medicine, Beijing 100700, China.
(結論)

Yiqi BushenやHuoxue Huatan(血液の流れを良くする中国のハーブ)の機能を持つCGEは脳虚血再灌流に続くIL-1βとc-fos蛋白の発現を上流で阻害する効果がある。けれどもCGEのこの効果はIL-1raのそれより比較的遅く始まる。CGEの効果は投与量に関係する。例えば、より多くの投与は脳卒中後の認知症においてc-fos蛋白の発現に関してより良い効果がある。

12.SK-N-SH細胞(神経芽細胞腫)における人参薬からのプロトパナキサヂオール(PPD)型サポニンによる軸索と樹状突起の伸長

Jpn J Pharmacol. 2002 Nov;90(3):254-62
Tohda C, Matsumoto N, Zou K,
Research Center for Ethnomedicines, Institute of Natural Medicine, Toyama Medical and Pharmaceutical University, Toyama, Japan.

神経細胞における軸索と樹状突起の伸長は認知症の脳においてダメージを受けた神経細胞ネットワークを補い、修理するかもしれない。神経細胞ネットワークの再生の可能性のある薬剤を探すために我々は高麗人参のようなパナックス属に属するいくつかのハーブ薬に焦点を当て、それらの抽出物や組成物の神経突起伸長活性を調べた。高麗人参の根、田七人参の根、そしてYe-Sanchi(中国)のそれぞれのメタノール抽出物がSK-N-SH細胞において神経突起が増加した。PPDタイプサポニン、ジンセノサイドRb1,Rb3そして田七人参のR4とFa(Ye-Sanchiから分離)は神経突起を伸長した。一方PPT(プロトパナキサトリオール)タイプ、オコチロールタイプ、オレアノールタイプのサポニンは神経突起に関して何の効果もなかった。ジンセノサイドRb1,Rb3と田七人参R4,Faと同じくYe-Sanchiのメタノール抽出物で処理した細胞は、多突起を持った細胞の%と結節状構造(神経突起上にあるビーズ状の膨らみ)の数は非常に高かった。リン酸化NF-H発現神経突起とMAP2発現神経突起の両方ともこれらのサポニンや抽出物による処理により伸長した。特に、より長い神経突起は主にリン酸化NH-Fで明確であった。これらの結果はPPD型サポニンは軸索と神経突起の生成活性を強くするということを示唆する。

13.ジンセノサイドRb1とRg3がグルタミン酸塩が誘導する神経変性から培養ラット皮質細胞を守る

J Neurosci Res. 1998 Aug 15;53(4):426-32
Kim YC, Kim SR, Markelonis GJ, Oh TH.
College of Pharmacy, Seoul National University, Korea

ある天然物とアジアのハーブ治療が老人性認知症を含む神経変性病を減衰させるためにアジアで使用された。我々は試験管でのテストシステムにおいて潜在的に神経保護活性を持ついくつかの天然物の誘導体を調べた。現在の研究では、我々は神経毒、グルタミン酸塩の有害な影響からラット皮質細胞培養物を守る能力を持つ高麗人参から単離した数個の物質を分析した。我々はジンセノサイドRb1とRg3がグルタミン酸塩が誘導する神経毒を非常に減じることを見出した。過剰のグルタミン酸塩に培養物を短時間さらすと広範な細胞死を引き起こした。グルタミン酸塩が誘導する神経細胞のダメージはRb1とRg3の前処理により非常に減じた。ジンセノサイドRb1とRg3はNOの過剰生産を阻害した。それは日常的にグルタミン酸塩の神経毒をフォローし、グルタミン酸塩で処理した細胞においてスーパーオキシドジスムターゼのレベルを保った。さらにグルタミン酸塩で処理した培養物において、これらのジンセノサイドは脂質の過酸化中に生産されるマロンジアルデヒドの生成を阻害し、カルシウムの流入を減少した。これらの結果はジンセノサイドRb1とRg3が培養皮質細胞に大きな神経防御効果を発揮することを示す。そのためこれらの物質は過剰なグルタミン酸塩にさらされることにより生産される酸化的ダメージから神経細胞を守る効果がある。

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