各疾病に対する人臨床試験

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自覚症状に対する効果

不定愁訴の改善

〈金子 仁、他:臨床と研究、56;2236,1979〉

不定愁訴を有する30例に紅参2.7g/日、6週間の投与で30例中21例に改善を認める。特に頭痛・頭重、肩こり、腰痛、立ちくらみ、疲労感、息切れ、手足の冷えに有意の有効性がみられた。

〈有地 滋、他:基礎と臨床、13;2055,1979〉

不定愁訴を有する100例に紅参2.7g/日、4週間の投与で著効および有効率は紅参投与期で77%で、特に疲労感、手足の冷え、頭痛、頭重、目まい、立ちくらみなどの循環器系に有効。さらに食欲、胃痛、腹部膨満感などにも有効。

慢性疾患の症状改善

〈山本昌弘、他:基礎と臨床、17;2006,1983〉

動脈硬化症23例に紅参2.7g/日、24週間投与後、全般症状66.7%、手足の冷え66.1%、立ちくらみ100%の改善率をみた。

〈金子 仁、他:臨床と研究、60;3982,1983〉

〈金子 仁、他:臨床と研究、60;3982,1983〉脳動脈硬化症に該当する患者40例に紅参2.7g/日と、プラセボを8週間投与し、紅参投与群で80%、偽薬群で50%と紅参による有意を確認した。特に手足のしびれと冷え、不眠、耳鳴り、心悸亢進に有効であった。

〈原 斎、他:The Ginseng Review、6;31,1988〉

脳卒中発症後1ヵ月以上経過し、麻痺肢に冷えやしびれを訴える患者18例に紅参6.0g/日を1ヵ月以上投与し、61%に改善を認め、さらに麻痺肢の深部温度の上昇や赤血球変形能の改善あり。

〈山本昌弘、他:基礎と臨床、17;1997,1983〉

糖尿病患者24例に紅参2.7g/日、4週間投与し、手足の冷え、疲労感、心悸亢進、立ちくらみ、全身症状などに有意の改善を認めた。さらに、24週目は耳鳴り80.0%、腰痛75.0%、,肩こり75.0%、全身症状71.4%の改善をみた。

〈加藤弘巳、他:薬用人参'89,p.96,共立出版、1989〉

糖尿病者52例により紅参は疲労感、食欲で有意に改善、腰痛、全般症状で改善傾向。

〈桑島恵一、他:薬用人参'89,p.148,共立出版、1989〉

本態性高血圧患者19例に降圧剤と併用して、紅参3.0g/日、3ヵ月投与、次に1ヵ月投与なしでその後再び8ヵ月投与。結果、投与期間中は自覚症状の改善がみられたが、投与をやめると総て悪化し、特に仕事の項目では投与前より悪化した。なお、紅参単独での降圧効果は不明。

〈山本裕士、他:The Ginseng Review,6;19,1988〉

消化器癌術後患者89例に紅参6.0g/日、2週間以上投与し、77.5%に食欲の改善をみた。

〈永田勝太郎:The Ginseng Review,15;38,1992〉

末期癌の癌性疼痛を訴える患者28例に鎮痛医療に加え紅参3.0g/日、投与8週目で食欲、16週目で食欲と心理的安定が有意に改善された。

更年期障害の症状改善

〈荻田幸雄:薬用人参'89,p.173,共立出版、1989〉

更年期様不定愁訴の婦人72例に紅参2.7~6.0g/日、1ヵ月投与し、著効27.8%、有効54.2%、無効18.0%で、年齢が若いほど効果発現が強かった。特に、手足の冷感、次いで卵巣機能、胃腸機能に対する効果が認められた。

男性性機能障害の改善

〈神戸大、石神教授〉

乏精子症患者に高麗人参抽出物を投与。精子数の増加の有効率70.8%、精子運動率の増加の有効率66.6%、妊娠能力の回復に至った者は58.3%という素晴らしい結果を得た。

脳血管障害に対する効果

〈原 斎、他:The Ginseng Review,6;31,1988〉

脳卒中発症後1ヵ月以上経過し、麻痺肢に冷えやしびれを訴える患者18例に紅参6.0g/日を1ヵ月以上投与し、61%に改善を認め、さらに麻痺肢の深部温度の上昇や赤血球変形能の改善あり。また、冷水に両足を浸して紅参投与前後における患側の足と健側の足の温度差を測ったところ、投与後で患側の足の温度低下が小さくなる傾向が認められ、末梢循環に関与する自律神経系障害の改善が考えられた。

循環器疾患に対する効果

高齢者心機能

〈高橋栄司、他:薬用人参'95,p.126,共立出版、1995〉

心拍出量の減少、末梢血管抵抗の増大、心仕事量の効率の低下を認めた高齢者に紅参1.5g/日を投与し、心拍出量の有意の増加、心係数の増加、総末梢血管抵抗の著しい減少を認めている。

高血圧症および低血圧症

〈山本昌弘:薬用人参'95,p.139,共立出版、1995〉

糖尿病、高血圧症、高脂血症などの316例(高血圧者、正常血圧者、低血圧者の3群に分ける)に紅参3~6g/日、10.5ヵ月投与し、高血圧者群では血圧低下51%、不変43%、血圧上昇5%、正常血圧者群では95%は不変、20mmHg以上の上昇は1.4%、低血圧者群では不変63%、上昇31%、低下6%であった。紅参は高血圧者に対して禁忌の薬剤ではなく、むしろ、血圧に対しても恒常性維持作用を示す。

リウマチ性疾患の末梢循環障害

〈仲田三平、他:薬用人参'89,p.140,1989〉

手指の末梢循環障害を伴うリウマチ患者5人に紅参6g/日、4ヵ月~2年間投与し、手指の温度が著明改善1人、改善2人、やや改善1人、改善なし1人であり、レイノー現象のある3例では症状軽快し、冷感を伴った症例ではまったく消失し、リウマチ性疾患に伴う末梢循環障害に有用である。

糖尿病に対する効果

〈加藤弘巳、他:薬用人参'89,p.96,共立出版、1989〉

糖尿病52例で紅参2.7g/日、8週間投与で血糖値、HbA1は有意差ないが、フルクトサミンは4週目で軽度の改善をみた。また血中脂質も有意差はないが、コレステロール180mg/dl以上、中性脂肪150mg/dl以上の比較的高値例に限って有意の改善がみられた。

脂質異常症に対する効果

〈山本昌弘:薬用人参-その研究と進歩ー、p.231、共立出版、1981〉

糖尿病を中心とする、脂質異常症患者67例に紅参末2.7g/日を長期投与。総コレステロール、中性脂肪、遊離脂肪酸などは有意に低下し、HDLコレステロールは有意に上昇し、脂質改善作用が認められた。ほとんど、はじめに正常値からはずれた項目に改善が認められ、正常値を変化させることは無かった。

肝障害に対する効果

〈山本昌弘:薬用人参'95,p.222,共立出版、1995〉

慢性肝炎患者63例を、小柴胡湯単独群(6.0g/日)、紅参単独群(3.0g/日)、併用群の3群で6ヵ月間投与。それぞれ単独群でも肝機能の改善が得られたが、併用群では小柴胡湯単独群に比しGOT、GPT、MAO値が2ヵ月目に有意の低下がみられ、また紅参単独群に比しGOT,GPTが2~6ヵ月投与で有意差がみられ、紅参併用の有意性を認めている。

〈溝口靖紘、他:The Ginseng Review,No.11;23,1991〉

非A非B型慢性肝炎20例を3群に分け、小柴胡湯単独(7.5g/日)、紅参単独(3.0g/日)および併用群とし、12~24週間投与。併用群では、投与中および投与後1ヵ月以内でGOTは改善傾向、GPTは投与前に比し有意の低下がみられた。

更年期障害に対する効果

〈荻田幸雄:薬用人参'89,p.173,共立出版、1989〉

更年期様不定愁訴の婦人72例に紅参2.7~6.0g/日、1ヵ月投与し、著効27.8%、有効54.2%、無効18.0%で、年齢が若いほど効果発現が強かった。特に、手足の冷感、次いで卵巣機能、胃腸機能に対する効果が認められた。

〈戸出健彦、他:The Ginseng Review,No.22;110,1996〉

種々の精神身体症状を有する更年期障害患者16名に紅参6.0g/日を3ヵ月投与。のぼせ、四肢冷感、易疲労、抑うつ、不眠、肩こり、動悸などで著明な改善をえた。紅参は中枢神経系を介して抗ストレス作用を発現することを示唆した。

疲労・ストレスに対する効果

〈久保道徳、他:The Ginseng Review,No.20;50,1995〉

Wister系雄性ラットの尾根部に体重の4%に相当する鉛を巻きつけ遊泳させ、遊泳開始から、ラットが疲労して沈むまでの時間を、遊泳時間として測定。紅参エキスまたはマムシエキス投与群は、優位に遊泳時間が延長し、紅参エキスとマムシエキス併用群では単独投与の1/5量で優位に遊泳時間が延長した。

〈金子 仁、他:Therapeutic Research,18;1745,1997〉〈金子 仁、他:Therapeutic Research,19;2055,1998〉

タクシードライバー23名に紅参4.5gを勤務前に投与。投与群では作業後に快調が増加し、疲労が減少した。また高血圧のドライバーの血圧が投与群で作業前後で平均171→158mmHgと有意に降下した。また、老人病院の看護者・介護者の女性28名で疲労度を二重盲検交叉法で検討し、タクシードライバーと同様の結果を得た。

〈金子 仁:Therapeutic Research,19;3607,1998〉

診療所日勤勤務の看護師3名、事務員3名に紅参を投与し、フリッカー値の上昇を観測している。紅参は作業負荷時の疲労感、体調、生理的・心理的機能の改善作用および抗ストレス作用を有していることがわかった。

漢方方剤と紅参との併用効果

肝炎

〈山本昌弘:薬用人参'95,p.222,共立出版,1995〉〈溝口靖紘、他:The Ginseng Review,No.11;23,1991〉

肝炎に対し、小柴胡湯と紅参の併用で効果有り。

脳血管障害

〈高橋栄司、他:薬用人参'95,p.126,共立出版,1995〉

脳血管障害88名に対する黄連解毒湯(6.0g/日)と紅参(4.5g/日)の8週間投与の効果を見たところ、紅参単独および併用で自覚症状全般に改善がみられた。

心機能低下

〈金子 仁、他:Therapeutic Research,10:4951,1989〉

高齢者の心機能低下に対し、紅参との併用方剤を検討した結果、防己黄耆湯と紅参の併用が最も効果があった。

慢性疾患患者

〈金子 仁、他:Therapeutic Research,10:4951,1989〉

動脈硬化症、高血圧、糖尿病などの慢性期で、症状が比較的安定した患者を3群に分け、八味地黄丸群(H群9g/日)、紅参群(R群3g/日)、併用群(HR群)で12週間投与した。胃痛ではH群、食欲、頭痛、性的充足度はR群が優れ、HR群では疲労感、食欲、不眠、手足の冷え、便通異常、立ちくらみなどで改善効果がみられた。

〈金子 仁 、他:The Ginseng Review,No.12;89,1991〉

慢性疾患患者40名を2群に分け、黄連解毒湯群(O群7.5g/日)と紅参併用群(OR群)に12週間投与した。O群ではしびれに、OR群では目まい、肩こり、頭痛に優位の改善がみられた。

更年期障害

〈寒川慶一、他:薬用人参'95,p.146、1995〉

更年期障害患者113名を紅参群(R群6g/日)、当帰芍薬散群(TS群9g/日)、併用群(R+TS群)の3群で4週間投与。軽度および中等度改善ではR群とTS群で有意差はないが、著明改善ではR群とR+TS群がTS群よりも有意差があった。

次に軽度の更年期障害の女性124例で紅参3g/日群と6g/日群およびTS群、R+TS群に8週間投与し、予防効果を検討。紅参3gと6gとの比較では、3g投与のほうが有効率が高い傾向がみられるが、これは紅参が用量依存的に効果を発現するというよりも、症状依存的な一面を持っていると考えられる。項目別では紅参は手足の冷え、ほてりなどの血管運動神経障害様症状および生理痛、生理不順などの卵巣機能に対する効果が顕著。併用群では単独における効果を増強する傾向がみられた。

癌性疼痛

〈永田勝太郎:The Ginseng Review,15;38,1992〉

末期癌患者の疼痛に対して鎮痛消炎処置に加えて紅参の併用で効果をみているが、さらに十全大補湯(7.5g/日)を併用し、QOL改善の速度がより早くなることを認めている。

その他の疾患に対する効果

腎疾患

〈有地 滋、他:薬用人参'85,p.238,1985〉

慢性糸球体腎炎12例およびネフローゼ症候群9例に人参抽出物を投与し、蛋白尿減少率は前者で33%、後者で67%でネフローゼ症候群が明らかに高く、発症後、早期に使用したものほど有効例が多かった。

貧血

〈村上 光、他:薬用人参'85,p.221,1985〉

再生不良性貧血、血小板減少性紫斑病、老人性貧血など計30例に、人参配合剤である帰脾湯を投与し、貧血の改善を認めている。

副腎皮質ホルモン剤副作用

〈佐藤文三、他:The Ginseng Review,No.20;68,1995〉

ステロイド投与中の患者に薬用人参を投与し、長期間プレドニン服用中の女性ではコーチゾールの上昇は軽微であったが、短期間プレドニン服用の男性では1.7→4.7μg/dlと明らかに上昇し、血中ACTHも同様の変動を示し、ステロイド服用中の患者の副腎をも刺激しえた事は、ステロイド離脱の補助薬にもなりうる。

創傷

〈金子 仁:代謝,29;220,1992〉

褥瘡患者に、基材に抗菌剤と紅参粗サポニンを加えた軟膏を試用し、数例で対照薬に比し明らかな創面の縮小や滲出液の減少を認めている。

自覚症状に対する効果

  • 紅参末LD50=6g/kg以上(ラット、マウス)。
  • 少数例で時に顔面紅潮、熱感、逆上感、胃部不快を訴える程度。
  • ほとんどの症例では服用中止により紅参による副作用は消える。
  • 山本の紅参使用例316例の血圧の調査の際も、平均10.5ヵ月の使用で、副作用はかゆみ2例、発疹1例、心悸亢進1例の計4例であり、紅参の副作用は極めて少ない。
  • 服用量は1日紅参末3~6g、分3、空腹時服用が一般的使用法。

※「紅参のすべて」-その歴史から現代医学的臨床応用まで-
(著者:桑島恵一 発行所:コア編集事務所)から引用しました。

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