高麗人参の分析について(2)~ものさし合わせ~

2014 年 6 月 18 日

主席研究員 理学博士 三原

研究開発室 三原です。

今回はジンセノサイドの分析に関して私共が使う言葉、「ものさし合わせ」について紹介します。

 

私共の商品は、高麗人参を原料とし、複数の加工段階を経て製造されています。
各加工段階では、ジンセノサイドの分析を行い、それぞれの段階で分析値が一定規格の範囲内にあることを確認しながら加工を進め、最終的に一定品質の商品になるようにしています。

 

各段階でのジンセノサイド分析は私共が行いますが、エキス製造などでは委託先の会社様でも分析して頂いています。
分析値を見ながら加工調整をする必要があるからです。

この時、同じものを分析しているのに、私共と委託先様で違う数値が出るのは良くないですよね。
望んでいる加工をしてもらえないことになり、一定品質の商品を作るのが困難になります。

 

そこで、「ものさし合わせ」の登場です。
両社で同じものを分析した時に同じ数値が出るようにするため、分析するための「ものさし」を両社で同じにしていくという意味です。

 

しかし、それは簡単ではありません。
ここで言う「ものさし」とは概念的なもので、実際のジンセノサイドの分析は、手作業による前処理をした後に、精密分析機器で測定します。
前処理を行うための道具や機器、人の手の違いのほか、分析機器の使用環境などの違いもあるので、すぐに両社同じ数値が出るということはなかなかありません。

 

委託先の会社様に試しに分析して頂いて、その結果を見て改善点を見つけ出し、改善して頂いた上で再度試しに分析して頂く、ということを繰り返すことによって、「ものさし」がだんだん一致していくわけです。

 

先日は、エキスを製造して頂いている会社の分析担当者様に弊社まで来ていただき、一緒に分析しました。
「ものさし合わせ」の一環です。和やかに一緒に作業をしてみると、手作業の癖などが分かりましたし、分析環境の細かいことを聞くことができたので、「ものさし合わせ」を効率よく進めることができました。

 

幸いにも一緒に分析した結果が一致しましたので、一安心しました。

 

しかし油断はできません。
いったん一致しても、何らかの環境の変化で「ものさし」がずれることがあり得ます。
そうならないよう、本製造の時に両社の数値がずれていないか、毎回チェックしています。
そして「ものさし」がずれると再度「ものさし合わせ」開始です。

 

一定品質、高品質の商品がずっと生産できている要因の一つにはこの「ものさし合わせ」もあるわけで、それは、委託先企業様のご協力があってこそ。
いつも感謝しつつ、いつも数値には厳しく目を向けています。

以上