Red Ginseng Eau De Toilette

2015 年 4 月 8 日

研究開発員 内田

 

前回のブログでは、紅参エキスのお風呂に入って、その香りに癒され、バスタイムが至福のひとときになったことを報告させていただきました。

 

紅参の香りは、人によって好き嫌いのはっきりする香りだとは思いますが、個人的にはとても気分が落ち着き癒される香りです。

 

そこで、紅参の香りの正体(香気成分)が気になり、文献等を調べてみました。

 

いくつかの成分は特定されているものの、ラベンダーのように有名な精油と比べると、まだまだ分からないことが多そうです。

 

ここで「香り」について簡単にまとめさせてもらいます。

  1. 分子量300以下の様々な有機化合物の集まりで、その数は500~1,000に及ぶ
  2. 香りの強さは分子数よりも、それぞれの成分の持つ特有の閾値によるところが大きい
  3. ほとんどが親油性である

などの性質をもったものと言えます。

 

また、アロマテラピーという言葉があるように、香りの特定の成分は、健康や美容に対しても良い効果をもたらします。

 

例えば、ラベンダーの香気成分の「酢酸リナリル」は鎮静・鎮痛作用、カモミール・ジャーマンの「カマズレン」はアレルギー症状を和らげる作用があります。

 

紅参の香りで気分が落ち着くということは、紅参の効果の正体はジンセノサイドだけでなく、香気成分にもあるのではないかと思っています。

 

今、私は多くの人に紅参の香りの良さを知ってほしくて、「紅参オードトワレ」を構想(妄想?)しています。

 

紅参は甘く土くさい落ち着いた香りがするのですが、それ以上に、まず初めに鼻につくとがった香りがあります。

 

そこで、花や果物の香りでその香りをマスキングしつつ、さらにウッド、スパイスなどを加えていきます。

 

「紅参オードトワレ」のイメージとしては、オリエンタルな花や果物の濃厚で甘美な香りから、時間の経過とともに少しずつ紅参の土くさく落ち着いた香りと深みのあるノスタルジックな香りに変化していく感じ・・・

 

テーマは「東洋の1日」です。

 

頭の中では「傑作」ができあがっているのですが、私にイメージどおりの香りがすぐにつくれたら、パフューマーは廃業です。

 

ちなみに、天然物は品質にブレが生じるので、紅参の香りの特長成分を特定して、分子組成や分子構造を決定し、人工香料を作る必要があるかもしれません。

 

課題は山積みですが、嗜好性が高く健康にも良い「紅参オードトワレ」を、いつの日か皆様にお届けできたらいいなと思います。

以上