身も心も懐も…

2015 年 12 月 15 日

研究開発室 松井

研究開発室の松井です。

ブログの当番が2回目なので、まだ自分の中で方向性が定まっていません。

しばらく迷走するかもしれませんが、ご容赦ください。

 

さて、12月の半分が過ぎ、クリスマスや年越しが迫ってまいりました。

プレゼントやお年玉などで出費が嵩み、気温だけでなくお財布の中身まで寒くなる時期です(幸い?なことに、私にはどちらも渡す相手がいませんが)。

また、忘年会や新年会でお酒を飲む機会も増えます。飲み会で盛り上がってしまい、ついつい飲みすぎることも。すると、悪酔いや二日酔い(と懐の寒さ)に苦しむことになります。

この悪酔いや二日酔いの原因となるのが、アセトアルデヒド(Acetaldehyde CH3CHO)です。

アセトアルデヒドは、アルコール脱水素酵素(alcohol dehydrogenase:ADH)によって、アルコールが分解された時に生じるものです。

アセトアルデヒドは、アセトアルデヒド分解酵素(ALDH:aldehyde dehydrogenase)によって酢酸(acetic acid CH3COOH)になり、さらに水と二酸化炭素へと分解されて体外に排出されます。

ちなみに、お酒に弱い人や飲めない人は、ADHやALDH(を作る遺伝子)が少ない。または無い人です。飲める体質・飲めない体質は、遺伝子レベルで決まるため、訓練でお酒に強くなることはありません。

また、日本人の約4割程度の人が、お酒に弱い人。または、飲めない人なので、無理にすすめるのは止めましょう。

以下、簡単な反応式となります。

 

◎アルコールが、アセトアルデヒドに分解される反応

20151215_01

このように、NAD+(nicotinamide adenine dinucleotide)がアルコールを酸化することで、アセトアルデヒドに変化します。

 

◎アセトアルデヒドが、酢酸に分解される反応

20151215_02

※CoA=補酵素A acetyl-CoA=補酵素Aと酢酸が結合した状態

こちらでも、NAD+がアセトアルデヒドを酸化することで、酢酸になっています。

補酵素は、酵素の働きを助けるものだと考えてください。

つらつらとアルコールの代謝経路を書きましたが、重要なのは、アセトアルデヒドが肝臓をはじめとした臓器にダメージを与えるということです。アルコール自体も、酩酊状態にするなどの悪影響を与えますが、肝毒性はありません。

つまり、お酒を飲んだとしても、このアセトアルデヒドが血中にある期間が短ければ、肝硬変をはじめとした疾病になってしまう確率が下がります。

高麗人参のジンセノサイド(特にジオール系ジンセノサイド)は、ALDHがより活発に働く手助けをします。その結果、(ⅱ)の反応が促進され、アセトアルデヒドの血中濃度が速やかに下がり、人体への影響(つまり悪酔いや臓器への悪影響)が抑えられるのです。

ただ、気をつけないといけないのは、飲酒後に高麗人参を飲んでも二日酔いや悪酔いを避けにくいということです。

なぜかというと、ジンセノサイドが吸収されるまでには数時間かかるからです。

ですので、高麗人参は、飲酒をされる前に飲んでおくことをお勧めします。

参考にしたサイトなど

脂質と血栓の医学

http://hobab.fc2web.com/sub4-Acetaldehyde.htm

くらしとバイオプラザ21

http://www.life-bio.or.jp/school/oneshot_02.html