「誕生日」

2015 年 6 月 10 日

研究開発室 渡来

 

今日は、娘の誕生日です。
おかげさまで、4歳になりました。

 

娘と私は、誕生日がちょうど1週間違いです。
私は先週、ひと足先に40歳の誕生日を迎えました。

 

子供を授かって以来、自分の誕生日に「おめでとう」と言われることが、照れ臭く感じるようになりました。

 

娘の誕生日は、素直に嬉しく思いますが、自分の誕生日は嬉しさより、恥ずかしさが勝ってしまいます。

 

その代わりといってはなんですが、生み育ててくれた両親に対する感謝の気持ちが、以前に増して、強く感じられるようになりました。

 

このような感情の変化もあり、自分自身の40年を振り返ると「あっという間だったなぁ」の一言ですが、娘と過ごした4年を振り返ると、短いとも長いともいえないのが本音です。

 

兎にも角にも、たくさんの出来事が起こり、とても一言で言い表すことができないのが正直な気持ちです。

 

産まれた日は、嬉しすぎて涙が止まらず、名曲「言葉にできない」が頭の中を駆け巡り、小田和正さんの歌声が耳から離れませんでした。

 

5ヶ月頃、何度も寝返りに挑戦する娘を応援し、やっと成功した瞬間、夫婦で涙を流しながら感動したこと

 

1歳、初めて歩いた時に見せてくれた何とも言えない笑顔

 

2歳、40度以上の高熱が続いて、心配で眠れない日々を過ごした妻の横で、私も同じくらい心配していた筈なのに、何故か毎晩ぐっすり眠ってしまい、妻に冷たい視線を向けられたこと

 

このように、娘に心を動かされた出来事は、数え上げればキリがありません。

 

娘と過ごした時間は、私の人生のうち、まだ10分の1程度です。
時間という物差しでは確かに10分の1ですが、幸福という秤では、娘が産まれてからの人生の方が何十倍も重たく感じられます。

 

何となく、お気づきの方もおられるかと思います。そうです、私は「親バカ」です。

 

アントニオ猪木さんの詩に「馬鹿になれ」というタイトルのものがありますが、私は、この詩が大好きです。
自分で「親バカ」かもしれないと思ったときに、ふと、この詩が頭によぎりました。

 

「馬鹿になれ、とことん馬鹿になれ...」言葉の一つひとつの意味を噛み締め、自分がやはり「親バカ」であることを確信しました。

 

それと同時に、それまで「親バカ」という言葉に対して、抱いていたマイナスなイメージは不思議と消えさり、胸を張って「親バカ」と言えるようになりました。

 

これからも多くの困難が待ち受けているとは思いますが、とことん「親バカ」を貫き、愛情たっぷりに子育てをしていきたいと思います。

 

 

 

さて、私たちが研究している高麗人参も、育てるのに大変手間がかかります。

 

まずは厳しい条件下での土壌づくりが必要です。
人間でいうと、ベビーベッドやその他必要な道具、部屋の環境を整えるといったところでしょうか。

 

そして種を蒔いたあとも、目が離せません。
高麗人参は高温多湿が苦手で、涼しくて乾燥した環境でしか育たないからです。

 

目が離せないという点では、歩き始めた子供と同じですね。
私も娘が1歳か2歳くらいの頃に、散歩中に目を離してしまい、ハッとさせられたことが何度もありました。

 

高麗人参の栽培中は、日よけや風通しを調整し、雑草を丹念に取り除くことが必要です。
ちなみに、私の娘は嫌いな野菜(特にピーマンと玉ねぎ)が多く、食事は野菜の量を調整し、機嫌が良くない時など、場合によっては、丹念に取り除くか、食後のおやつを約束することが必要です。

 

こうして手間ひまかけて育てた高麗人参は、4年から6年かけて栽培されます。
人間でいうと、幼稚園の年少さんから年長さんあたりですね。

 

あまりにも早い嫁入りに、農家の方もさぞかし寂しい想いでいることでしょう。
私の娘は少なくとも、あと20年は嫁入りさせずに、大事に育てたいと思います。

 

そして、農家の方が愛情を込めて作ってくださった高麗人参という最高の素材だからこそ、それを扱う私たちも、最高の品質・安全管理の体制をもって応えていきたいと思います。